人間の「食性」に適った食行動によって得られる、健康効果を解説。この「食性」から逸脱した食習慣は生活習慣病の温床であり、QOLの悪化を招くことを身体で理解する事が重要である。

「命」の輝きを忘れない!「健康」は宝です!! 「病」を癒し、病院と縁を切る為のガイドブック

第三章「生命維持システム」 3

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生存の原理

第三章「生命維持システム」

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6: 危急存亡時の生体反応

アレルギー疾患の持つ意味

 花粉症はアレルギー疾患の代表格で、国民病と揶揄されるほどに、日本人の体質は悪化している。「風邪は万病の元」と云われたが、今や花粉症が万病の元になってしまったようだ。

 しかしこの生理機能の解釈には、三つの重大な誤りが存在するように思われる。学者でもない私が断言するのは批判もあるであろうが、四十年以上の食養の経験と数度の断食の体験を通して、直感でそう感ずるのである。

  • 三つの間違いとは
    • 交感神経緊張状態「ストレス過剰」
      • これは飢餓ストレスに対する反応で、本来は、生命を守る生体反応である。
    • 顆粒球による正常な組織細胞の破壊
      • 古くなった細胞の再利用のために行われる、オートファジーの機能である。
    • 免役異常/免疫の暴走と表現される生体反応
      • これは異常や暴走ではなく、正常な生理機能であり、脆弱な病的細胞を処理している現象である。
  • 以下で詳細を説明する。

[check] 交感神経緊張状態「ストレス過剰」

 現代人にのしかかる過剰なストレスによる活性酸素が、正常細胞を攻撃するという解釈なのだが、すでに述べたが、交感神経緊張状態は、飢餓ストレスに対応した生体反応であると云う事が一つ目だ。これは断食の時に経験する生体反応だが、交感神経緊張の危急時に、アドレナリンの大量分泌で起きる生体反応と全く同じなのだ。

 絶食状態の生体反応では、日常生活で生じた疲労物質、老廃物、化学物質などが組織に蓄積する事で損傷した、粘膜-細胞-脂肪などが自己融解し、組織や臓器の修復、排泄が図られると同時に、赤血球への逆分化が起こり、体液の恒常性が保たれている。

 繰り返しになるが、交感神経優位の状態で顆粒球が増え、病的細胞、異常細胞の処理がなされる。同時に顆粒球で処理出来ない、微細な自己異常にまつわる細胞の崩壊した老廃物、異物、ウィルスなどを処理する古い免疫系が活性化される。

 人類の数百万年の歴史の中では病気、怪我などで食が絶たれることが頻繁に起きたであろう。そんな時、人類は飢えにひたすら耐え、安静を保ち回復を待ったのである。

 また外来抗原に対する免疫系が抑制され、自己異常に対するシステムが活性化されると云う事は、絶食状態でこそ生命力が旺盛となり、病的異常が修復される能力が、飢えが当たり前という環境に適応、進化して備えられたと思われる。

[check] 顆粒球による正常な組織細胞の破壊

 次に二つ目の誤りは、顆粒球増多による正常な組織細胞の破壊が行われると云う指摘である。何故この様な誤解が生まれるのだろうか。生物には 各々、食性があると述べてきた。人類の主食はイネ科植物の、お米やアワ、ヒエ、キビなどの未精白の玄米雑穀であらねばならない。そして季節の野菜と、日本人ならば海藻と小,魚介類を味噌醤油で調理すれば充分に栄養は賄える。

 これ以外の食性に合わない食物を習慣的に摂取すると、代謝異常による多臓器不全に陥る。
これに過食が加わればますます状況は悪化する事になる。さらに大気汚染、水質悪化、添加物、薬品、農薬、化学肥料などの、化学物質の氾濫は脆弱な体質のみならず、精神の荒廃をもたらす事になる。

 命を育む栄養素を削ぎ落とされた、生命力を失った不完全食によるストレスが、生活習慣病と呼ばれる疾患全般の最大の原因である。生命力に満ちた食品を摂り、活力に溢れた赤血球から生まれた組織細胞ならば活性酸素除去酵素も豊富にあり顆粒球の出す、活性酸素の処理対象となる、病的な異常細胞も少なく、組織障害は防がれるだろう

 生命力のない汚染食は、これに耐えられない脆弱な組織細胞を生み出して、組織全体が活性酸素の攻撃対象となってしまう。
 
 つまり健康な細胞組織が攻撃を受けているのでは無く、実態は健康に見えているだけの病的細胞なのだ。様々な錯誤による間違った生活は、有害物の蓄積による、代謝異常、免疫異常、粘膜障害、組織障害をもたらす。

[check] 免役異常/免疫の暴走と表現される生体反応

 環境に溢れる、化学物質や、過食、肥満、白砂糖、運動不足などは細胞で消費する酸素を奪い取る。その為に副交換神経が亢進されて、リンパ球増多となって、免疫力が増進する。

 本来の免疫システムは、この様な状態で侵入してきたウィルスなどへの抗体を作り、外来抗原の攻撃から体を守るシステムである。

 しかしながら、各種の化学物質に汚染され、脆弱且つ、病的な細胞組織によって劣悪に悪化した体内環境では、瞬く間にウィルスは増殖して、抗体の生産が遅れを取り、ウィルスの繁殖が止まらない状況で、最前線の防御線が突破された状態と言って良い。

 この状況での体の防御反応は、発熱によって体を守る体制を作ってその結果、節々の痛み、頭痛、悪寒、喉の痛み、咳などの症状が現れ、安静を促し副交換神経を優位にして、リンパ球を増やし病原菌に対応する事になる。

 体力がある程度維持できていれば回復に向かうが、最近死因の第三位に急浮上した肺炎が示すものは、日本人の体力の低下が著しいことの証明でもある。

 ところで現代社会に多い、ウィルス以外の化学物質などに対しては、従来の免疫システムは働かず、寧ろその影響で免疫力は低下し、化学物質が蓄積される事で、副交換神経優位の条件が継続され、体内の汚染が限度を超えると、リンパ球増多となり免疫力が益々亢進される。

 この時多くの神経伝達物質が分泌され、痛み、発熱などを伴いながら血管拡張、血圧降下、
血管透過性の亢進が促進される事で、蓄積された疲労物質、老廃物、化学物質などの異物処理が行われ、汚染、消耗した組織の浄化と生体機能の回復に最適な条件が整う事になる。

 その結果組織に蓄積している汚染物質が、体液中に大量に溶解し代謝排泄が促進されて、
通常の排泄ルート以外に皮膚、粘膜、目、耳などが動員され排泄される。

 これがアトピー性皮膚炎や花粉症に代表されるアレルギー疾患である。これらのアレルギー疾患を免疫異常とか、過剰反応と表現するが、この事が三つ目の誤りである。

 ''おそらくは抗体の過剰反応などではなく、通常の排泄機能で処理出来ない異物が限界に達して、副交換神経優位の条件が継続される事で、神経伝達物質が多量に放出された事の結果として起きるのである。

 生理的な回復力による排泄作用と云う理解なくば、正しい治療が行われないのは当然である。
 アトピーの治療にはステロイド剤が多く使われているが、組織に浸透して悪循環を生むので、少しずつ減らしながら改善を図らねばならない。

医学界が黙殺し続ける不都合な真実

 思い出して頂きたいのは、細胞は細胞分裂によるものではなく、摂り入れられた食物が、生きている物質モネラとなって、腸管から摂り込まれ、細胞そのものとなり赤血球に分化し、更には「体細胞」にまで生成発展すると言う事実を・・・。

 この視点が欠けているから、現代の西洋医学が生活習慣病に対して何ら対策が講じられることなく、対処療法に終始して問題を複雑化している。「医は仁術」という原点に回帰してもらいたいものである。

7: 人体生理に反する治療で増加する医原病  

  • 生活習慣病~五大疾病
    • 癌腫瘍、糖尿病、脳血管障害、心臓疾患、高脂血症、高血圧、肥満
    • 古い統計
      • 日本人の死因~五大疾病
        順位病名
        1位癌腫瘍
        2位心臓疾患
        3位肺炎
        4位脳血管疾病
        5位老衰
    • 2021年統計
      • 日本人の死因~五大疾病
        順位病名
        1位癌腫瘍
        2位心臓疾患
        3位老衰
        4位脳血管疾病
        5位肺炎

病院で行われる療法の誤り

 現代医学によって行われている、生活習慣病の治療は肉体への負担が大きく、医の倫理の低下も合わさって、無駄な薬の投与や手術が行われる事もあり、百害あって一利も無き状況と言わざるを得ない。

  • 対処療法に終始する現代医療の慢性病対策
    • 命を観ることなく、病を見ているから根本療法ができない医療
      • 放射線療法 ~ 健康な細胞が傷付き、放射線障害の危険性を生じる。
      • 外科療法 ~ 患部を切除して肉体に負担を与え、必要な機能を失う。
      • 化学療法 ~ 神経伝達物質を阻害し、副作用が大きく、化学物質の蓄積を伴う。
      • 運動療法唯一効果的な治療
      • 食事療法 ~ カロリー調整しか出来ず、栄養不足による代謝異常を招く。
  • 現代栄養学の食事療法が間違っている理由

     一見、害の無さそうな食事療法だが、生活習慣病の原因を作った食材を丸ごと使った代物に過ぎず、現代栄養学による各栄養素を積み木細工のように積み上げて、カロリーコントロールしただけでしか無い。
     そこには摂取された食物が、体内でどんな経過を辿り、どのように吸収されるのかと云う生理学的な検証など無く、単に蛋白・脂質・糖質をバランスさせただけでしか無い。またビタミン・ミネラルの不足などは考慮に入れられてはいないだろう。

     そして薬剤には強い副作用があることは周知のことだが、人体生理に合わない処方が日常的に行われる。
     例えば高血圧には降圧剤が投与される。必要があって血圧は上がっているのであって、高血圧を悪と決め付けて、ただ下げることのみに汲々としていたのでは、解決には程遠いと言わざるを得ないだろう。

     身体の不快な症状は、消耗した組織の回復を図るために、肉体がわざわざ作り出した症状である。これを悪として忌み嫌うのではなく、その声無き声に耳を澄まし、生活の改善に全力を尽くすべきである。

     永年、薬に頼った生活をしてきて、一気にやめられないことも在るかもしれないが、少しずつ量を減らし、食の改善を図りながらやめることをおすすめしたい。

癌腫瘍は 命を守る最後の砦

  • 外科療法・化学療法・放射線療法の誤り

     そもそも癌腫瘍によって生命の危機に瀕するのではなく、
    血液性状の悪化が改善されず、継続されることで全身の組織細胞は
    ダメージを受け続け、恒常性維持機能が破綻。
     血液浄化のための最後の砦として、血液中の汚染物質の回収装置としての役割を担って登場したのが癌腫瘍である。
     切除し放射線で焼き、薬剤で処置しても、血液の浄化ができなければ、当然また浄化装置(癌腫)を作るのみである。
     やるべきは食を改め、血液の清浄化を図り、全身の修復をしなければならない。正しい食性を守りさえすれば、あとは生体システムが活性化して本来の姿に戻してくれる。それが自然の摂理であり、生存の原理そのものである。


8: 排泄機能 ~ 非常時の排毒装置

 私たちの体には、多くの排泄機能が備わっている。摂取された食物が食性に適った穀物や野菜ならば、適切に処理され水と炭酸ガスにまで分解され排泄される。

 しかし肉、玉子、牛乳、魚などの動物性食品。白米、精白小麦粉、白砂糖、精製塩などの精白食品。そして添加物が多く使用されている加工食品。促成の味噌醤油など多くの不自然食品が市場を占めている。

 これらの食品は、命を育む生命力が無いだけでなく、腸内の有害菌が好む生息環境を作り出す。つまり、これらの食品は腐敗型の有害菌でなければ、処理ができないのである。

 短期の汚染であれば、何の問題もなく処理されることになるのだが、このような食生活は習慣化し、慢性的な血液の汚染となる。

 その影響で体調不良が生じても見過ごされて、食害であることなど及びもつかない。この様な状況下では体内で何が起きているのだろうか。

 長期に渡ってこのような食習慣が形成されるので、処理されずに残る老廃物や化学物質は、
組織に蓄積され続け、排泄の機会を待つことになる。

 体調を崩すのはこうゆう時で、腹痛、下痢、湿疹、発熱、偏頭痛、倦怠感など色々な症状がある。これは排毒のための作用と反作用と言えるもので、決してネガティブに捉える必要はない。
 女性にとって最大の問題は、この排泄作用が最も顕著に起きるのが、妊娠、出産の時に訪れる事である。母体にとって危険な毒素を排泄する絶好の機会になるからだ。

 汚染物質の処理には、肝臓、腎臓は云うに及ばず、全身の細胞が休みなく働いている。こうして疲弊し、消耗した組織に、細菌やウィルスの侵入を許して、病気を発症してしまう。
 これが繰り返される事で、脆弱な組織になり、代謝異常、生活習慣病の温床となって、多臓器不全へと突き進む。

 これは体内に毒素と云う産業廃棄物が、排泄されずに蓄積され続ける事で引き起こされる。
細胞内に取り残された化学物質やその他の毒素は、タンパク質と結合してその性質を変性させ、また脂肪を酸化させて、自己としての認識ができずに、異物として白血球の攻撃目標となり組織破壊が起きる。

 国民病と呼ばれるほど増えてしまった、花粉症が分かりやすい例だろう。汚染された体内環境では粘膜などに炎症が起こり、毛細血管透過性が亢進されていて、免疫系の細胞が容易にすり抜けられるようになっている。炎症の起きている粘膜に花粉が侵入して来れば、即座に反応して症状が現れる。

 健康体であれば何事も起きないが、普段の食害で蓄積された化学物質で脆弱な体質が、大量の花粉で限界を超えると、免疫力が昂進されて、血中に化学物質、老廃物が溶け出して目や鼻などの粘膜から排泄される。時には皮膚にも排泄が起きて湿疹、アトピーの症状となる。

 通常の排泄機能が障害され、働けない事で起きる最後の手段なのである。


子宮という排泄器官

  • 女性が長生きする理由

 女性は男性にない大きな排泄器官を備えている。月に一度の排泄だけでなく、妊娠時には母体に蓄積された毒物を胎児に送り込む。

 母親の大量の血液によって育まれる命であるから、意図するしないに拘わらず、母体の環境がそのまま移行するのは必然だろう。

 幼児にアトピーが多いのは実に痛ましいが、母親の子宮が排泄器官として働いた結果である。母親の生活環境で蓄積された汚染物質は、妊娠出産を利用して排泄される。それは羊水を汚染し、供給される血液を通して胎児に蓄積されてしまう。

 もちろん母親の血液がそのまま胎児に流入するのではなく、その血液を材料に臍帯で胎児固有の造血を行う。そこには有害物質を堰止める関門もあるのだが、汚染がひどければ防ぎようも無く通過を許してしまう。

 これが不妊、流産、奇形、白血病などの主因であり少子化の一因でもある。母親にとっては受け入れ難い現実かもしれないが、真実をしっかり受け止めて今後に活かしてもらうしかない。

 このように食べ物は、人の生き方を大きく左右する力をも内在し、日々摂り入れられているのであるから、その質には、とことんこだわって、充分に気を配り自分の人生のみならず、家族や地域社会に与える影響も考慮しなければならない。


牛乳という不完全食の害

  • 消費量の増加と共に進む体力低下

 「牛乳は完全食品」と言って消費を促すが、子牛が母牛から直接飲むのであればその通りであるが、それも成長期のごく短い期間であり、成長すれば草が完全食物となる。

 現在の工業化された牧畜(特にアメリカ)では、肉骨粉・薬品が添加された結果、狂牛病などと云う病に侵される。

 人間にとっての完全食は、乳児期は母乳意外に有り得ない。不幸にして母乳が出ないこともあり得るが、この時は粉ミルクでは無く、神の乳とも称される玄米スープで代用できる。

 牛乳の栄養組成は母乳とは大きく異なる。ミネラルバランスは重要な要素だが、そこが大きく母乳と異なるところだ。そのために正常なカルシュウム代謝を狂わせる。牛乳がカルシュウムの補給源だと思っていると、逆の結果を招くことになる。 

 牛乳の消費量とは裏腹に、骨折は以前の10倍に増えているという。そして小学生の体力低下は依然改善されておらず、スポーツ界に於ける日本人のフィジカルの弱さには定評がある。
 スポーツの国際大会では獲得メダル数において、人口半分に満たない韓国にさえ、大きく差をつけられている。

 牛乳による健康障害は、多くの研究が成されているが、中でも精神病、白血病、自閉症など重大な疾患に関わる事例が多く報告されている。

 この様に食性に合わない牛乳は、人体生理を狂わせ、代謝異常をもたらす。それは生命力を失った不自然食、化学物質に汚染された食物を摂取した結果、それを処理するのに負担が大きく、体内の重要なミネラルや栄養が消費されて、我が身の生命力を削り取りながら処理を続けることになる。

 更には動物性を好む、有害菌の増殖による毒素の発生、また正常な代謝が行われずに発生する、アンモニア、アミン、尿酸などの生成物質の処理に、貴重な資源が浪費され血液が汚染されていく。その先には肝臓、腎臓の解毒排泄の機能は疲弊し機能を失って、生活習慣病を患う事になる。

  • 生活習慣病のシグナルを聞け

 必ず健康を害する前に、それを警告する前兆が現れる。この声無き声に耳を傾ける事で健康管理は半分成功である。重篤な結果を招く前に、誤りを正すことが大切だが、そのきっかけと成るものは何だろうか。なんでもない体調不良を見過ごしにせず、何が原因だったかを見極める態度を養って行けば、最悪の病気を患うことは無いであろう。

 体調不良はすでに述べたようなストレスによるものだが、例えばスタミナがないといえば、
運動不足が挙げられるが、もっと重要なことは、組織細胞の酸素不足、処理能力の不足、そして血液の汚染による機能低下が主因なのである。

 また、誰でも体験すると思うのだが、冬などに特に多く見られる皮膚の痒みは、老廃物や毒素を皮膚から排泄している結果である。或いは排便や嘔吐する事で不調が解消することもある。
 脳卒中で倒れた時は浣腸で排便を促すことで、致命傷を避けることができるとも言われている。

 或いは、悪い氣が滞ることで起きる体調不良(頭痛、のぼせ、吐き気など)もある。これは氣の流れを正す事で解消するのだが、氣の調整法を知らない人は、シャワーや入浴で正すことができる。滝行など、清めの禊として古くから行われていて、邪気(澱んだエネルギー)を祓う先人の知恵である。これは、水の持つ浄化作用を利用した、悪いエネルギーを受けて体調を崩した場合の、優れた健康法なのである。


薬という化学物質の害

  • 自然治癒力を蝕む化学薬品

 体調を崩すと多くの人が薬を頼りにする。しかし症状を麻痺させるだけで治療の助けにはならない。何故ならば、病の症状として現れる不快な症状は、治癒反応であるからだ。例えば、原因不明の猛烈な頭痛が襲ってきたとする。私なら薬など使わずに何が原因かを考える。

 玄米自然食という食性に適った食生活をしていると、不浄な食物を摂取した時、体が反応して排泄作用が起きる。人によってその反応は様々だが、私の場合は頭痛として現れることが多く、反応が強いときはそれが数時間続いたあと嘔吐して終わる。吐いてしまえば、それまでの苦しみが嘘の様にスッキリと回復して終わる。

 この時の体内では、血液中に溢れた有害物による環境悪化の為に酸素が奪われて、酸素不足となった脳は、激しい痛みを覚える。
 この酸素不足は副交感神経を刺激し、血管を拡張収縮、発熱、痛み、血管透過性亢進、胃腸機能の亢進などが促進され不快な症状が現れる。

 この状態では排泄機能が極限にまで高まり、いずれかの臓器に、酸化汚染された血液を集中させて処理しようとする。この場合は胃が選ばれ胃酸という形で胃中に放出、嘔吐となって排泄されたものと考えられる。

 その他の症状としては、下痢、アトピー、ジンマシン、喘息、結石など様々にある。広義に考えれば病気の全ては、胎内に侵入した異物の排泄作用と、排泄障害の結果にほかならない。

 日常的な食の誤りは、不快症状の慢性化をもたらし、薬剤の長期使用を余儀なくされる。これは体の自然な治癒反応を阻害し、血流障害を日常化させ、さらなる化学物質の蓄積を助長する。

 これにより組織破壊、免疫力低下の結果、感染症に罹患しやすくなる。具体的な病名は付かなくとも不快な体調は誰もが経験するところで、あまりに日常的である為に事の重大性を認識できないだけなのだ。

 或いは病とは人知の及ばない偶然性や、突発性に起因するものとの思い込みがあって、対処法を見出せない場合もある。

 しかし宇宙は因果律で支配されていることを知らねばならない。化学実験のようにすぐ反応が現れれば理解し易いが、時間差があると因果律は見えなくなってしまう。不幸の種を巻けば、必ず不幸の実を収穫しなければならない。
 

  • 玄米という機能性食品

 もともと自然界に存在しない化学薬品は、生体内では処理が難しく組織に蓄積され易いのだが、それを処理できる機能性食品、即ち玄米を自然は準備しておいてくれた。

 穀物は人類の出現と共に現れ、植物進化の頂点に存在している。人類とともにあった穀物は、人類の食の中心となり、生体内の代謝機能を穀物の栄養組成や、ミネラルバランスに合わせて進化させてきたものと思われる。

 中でも米は特に優れた栄養価と保存性を有し、生産効率も非常に優れている。その玄米を精白してしまうと、自然な代謝機能が失われ排泄障害の原因となる。

 この優れた機能性食品を、食の中心に据えることで、代謝機能が活性化され、完全食品とも呼べる、栄養によって肉体は蘇り、様々な機能が正常に働き始める。

 この時蓄積されていた化学物質や老廃物は排泄されるのだが、蓄積される過程で生じた不快症状が、逆の過程をたどる事で症状として出てくる事も生じる。

 この様に体の機能は、摂り込まれる食物の質によって、健康にもなり、病気に導く事にもなる。未精白の正しい食事こそが健やかな人生への第一歩である。


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