「命」の輝きを忘れない!「健康」は宝です!! 「病」を癒し、病院と縁を切る為のガイドブック

第五章「気と潜在能力」4

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実りある豊かな人生の為に

 人は様々な苦しみに曝されて生きていかねばならない。その苦しみに耐え抜く勇気はどこから来るのであろうか。人によっては挫折を繰り返し、朽ちてゆく者も多い。何によってこの違いを生むのだろうか。

 それは三歳までにどれほど多くの、無償の愛を受けたかによって、決定づけられるのではないだろうか。深く愛されたという記憶は、潜在意識に刻み込まれ、その後の生きる勇気の発露となるだろう。

 愛されていないという実感は、心を閉ざし不快な情報の遮断を、無意識に行い自分を守ろうとする。或いは自己を否定することで、免疫システムの抑制などが起こり、虚弱体質になりうる危険性もある。

 人間の本質は、無意識にあることを説明してきた。胎児期を通してこの無意識や意識に入ってきた情報による刺激は、脳に記憶されて、愛されているという快い刺激は、盛んにシナプスの発達を促し、ネットワークを強固なものにしてゆく。

 また、愛に恵まれない環境で育つと、自分を肯定することができず、負のネットワークが強化され、潜在意識に深く刻み込まれる事で、負の悪循環が回転し始める。自分に自信が持てず、失敗を繰り返し、成功体験が得られず、自暴自棄の人生が待ち受ける事になる。

 人、各々の能力の差は、持って生まれてきたものでは無く、脳に入ってくる情報量と質の違いによる。それは小学校に入学してからの努力の差ではなく、幼児期に作られたシナプスのネットワークが緊密に構成されているか、否かの違いによって能力の差は生じる。

 努力すればするだけ吸収できてしまう脳と、努力しても実らずという、気の毒な結果の違いを生み出す事になる。それは本人の責任では無く、幼児期の置かれた環境によって決定づけられるのである。

 幼児期の脳のもつ驚異的な学習能力を理解し、正しい方法で、客観的な事実だけをインプットするだけで良い。あとは脳が勝手に学習していく。この時のシナプスのネットワークの緊密度合いによって、学習するスピードは、雲泥の差となって現れるのだ。

 臨界期における環境の差が、能力の差を決定する事実を、夢々忘れてはならない。親に求められるのは、子供に捧げる惜しみない愛である。その上で、知性を育むのに必要な情報を、インプットしてあげるだけで良い。

 子供の質問攻めに会い、四苦八苦する親も多いが、できるだけ誠意を持って答えてあげねば、子供の学習意欲を削ぐ結果になる。時間は余りなく、子育てに追われて瞬く間に時は過ぎる。

 入学前の六年間に、適切な方法で大量の情報を与えてやれば、子供は一生機能し続ける、スーパーコンピューターを手に入れる事になる。親が努力するのは臨界期の五年から六年である。その期間を無為に過ごして、入学してから尻を叩いても、鉄は冷え切っていてどうにもならないという結果になりかねない。

 親が子供に残してやれるものは、生きる為の大いなる勇気と、それを支える優れた頭脳である。重要なので何度も繰り返すが、それは臨界期に入力された情報の質と量による。

 その為に必要な条件と、備えられている機能は次の通りである。

臨界期に獲得する能力とその条件

  1. 子供との間に信頼と敬愛の深い絆を築く(無償の愛)
  2. 波動情報を受け取り記憶できる(深い洞察力)
  3. 旺盛な知識欲とその記憶力は無限大である(イメージ記憶)
  4. 意味の理解を伴わぬ素読による脳の活性化(ネットワークの固定)
  5. 大量に入力される情報から法則を探り整理できる(演算機能)
    • 利用されなければネットワークは消滅する(才能低減の法則)
    • 情報刺激は子供が飽きる前にやめることが重要。


情報の質とは

 私達は働き始めることを「社会人になる」と表現するが、これは間違っている。本当の社会への旅立ちは、小学校入学なのではないだろうか。そこのところを深く理解しないと、教育を学校に依存してしまったり、家庭でなさねばならない、躾までも学校に押し付けてしまうことが起きてしまう。

人を育む九つの知性

  • 障害教育の権威であるグレン・ドーマン氏は、認知機能として働く「心」即ち「知性」を九種類に分類している。
  1. 言語的知性────文字言葉を視聴覚で理解・記憶し表現する能力
  2. 絵画的知性────絵画的形態・パターン・図形を認識し表現する能力
  3. 空間的知性────対象物の速度・位置・方向を知覚し行動する能力
  4. 数学的知性────様々な数学的記号の理解と論理的表現力
  5. 音楽的知性────絶対音感を獲得・芸術性を理解し表現する能力
  6. 運動的知性────体の姿勢・運動・バランスを知覚しコントロールする能力
  7. 社会的知性────人間関係を中心とした社会性を理解し行動する能力
  8. 感情的知性────他者・自己の感情を理解し行動する能力
  9. 自我(超知性)──これら八種の知性を統括し人格を決定づける

 この九種類の知性が育まれる環境が、家庭の中に存在するか否かで、子供の能力は左右されるし、持って生まれてくる個性も発揮できなくなる。1~6までの知性を積極的に与える環境が、用意されるならば、その情報量に比例して知能・知性が伸びる事になる。残り7~9の知性はその過程で自然と育まれていくだろう。

 積極的に学ぶ環境を用意するとは、具体的に何をすれば良いのだろうか。それは親の好みで選ぶのではなく、より多くの可能性を求めるべきであろう。
 
 1~6の全ての情報が与えられるのが最善であるのは当然だが、少なくとも、読み書き、そろばんと言われてきた様に、読みを教える言語的知性。計算力や論理的知性を培う、数学的知性は最低限必要である。更に、自分を守り健康を養う、運動的知性が開発されれば申し分ないだろう。

 その方法は、「単語カード」や「ドッツカード」を利用する。カードを数枚用意してカードの単語なり数字を発声しながら、フラッシュして瞬間的に見せるだけでよい。これを一日2回から3回、毎日繰り返すだけで良い。子供の様子を見ながら、多くて20分で充分である。無理強いは逆効果になり、勉強嫌いを生むので注意が必要だ。

 情報量が増せば増す程、脳細胞同士の複雑で、緊密な回路が形成され、その能力は想像を遥かに超えたものとなろう。例えば語彙が豊富であると言う事は、大きな意味を持つ。それは自分の意思を伝える表現力に優れ、自分を理解してもらえないというストレスから解放される。

 そして高い読解力、理解力が備わり、一度見聞きした事を、素早く吸収してしまう為に、長時間机に向かう必要もない。また、数学的知性の獲得は、瞬時に複雑な数式の解を求める事が可能となり、論理的な思考回路が研ぎ澄まされて、優れた能力が育まれるだろう。

 臨界期に存在する大量高速処理能力を、後々にまで残すことができれば、生涯の財産となり、大いなる可能性を開くことになるのである。

 


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