科学を絶対視する危険性
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第一章「生命誕生と進化の真実」
4:科学を絶対視する事の危険性
科学とは
東洋思想を語るとき、非科学的であると言うニュアンスが含まれることが少なく無いが、これは全くの誤解であろう。科学とは自然界の森羅万象を、人間の不完全な技術で説明したに過ぎない。
本来科学とは解明されていない未知の現象に対して、仮説を建て論理的に検証する思想である。この視点を欠いて非科学的だからと物事を論ずることが多いように思う。
科学という技術の網にかからなければ、否定され存在しないと結論を導き出されてしまう。科学がこれほどまでに、絶対的価値観を持つに至ったのは何故なのか。
それは物質の研究が限界と思えるところまで極められ、太陽系の外にまで人工衛星を飛ばし未発見の素粒子を幾つか発見したことで、すべてを極めたような錯覚を、一般の人ならともかく、一部の研究者でさえ持っているような印象を受ける。
しかし、明らかになっている事は、全体のごく一部分に過ぎず、人類は百数十億光年の彼方を観察できる技術を持つに至ったが、身近な病に悪戦苦闘を強いられている。
物事の本質は、宇宙の構造が、スカスカの空間に星が浮かんでいる様に、生命の本質もまた、物質を超えたミクロの空間の中にあると言ってもよいだろう。
物質を分析,研究することが得意な西洋の哲学と、「無」や「空」の概念を極めてきた東洋の哲学が融合し渾然一体となったとき、新しい科学の体系が生まれ、真の科学が完成されねばならないと思う。
命を構成するエネルギーとは
- 物質を構成する素粒子の世界
近年の量子論はミクロの世界が、マクロコスモスに通じていると云う仮説を立てている。
しかし、東洋哲学は二千年以上も前に、深い洞察力によってそのことを喝破している。
見えない非物質の世界とは、物質を構成する膨大なエネルギーの源泉であり、尽きることのないエネルギーの海である。
- 検知限界
- 原始の大きさ ー10の-8乗センチメートル. (10-8cm)
- 原子核の大きさ ー10の-12乗センチメートル. (10-12cm)
- 電子の大きさ ー10の-17乗センチメートル. (10-17cm)
- 更に極小のミクロ世界が宇宙の本質 (仮説)
- 超ひも粒子【エネルギー】ー10の-33乗センチメートル. (10-33cm)
- 心の領分【意識】ー10の-33乗センチメートル以下. (10-33cm 以下 )
- 神の領域【超意識】 ー10の-70乗センチメートルから-90乗センチメートル. (10-70cm~-10-90cm)
心を構成するものとは
私たちの 心、意識 は現に存在しているが、検知器で測れるものではない。つまり証明する事が困難な存在であるが、誰の肉体にも備わっているからこそ、エビデンスを示せなどと、宣う者など現れるはずもない。しかし一方で、植物や鉱物に意識が存在すると言えば、たちまち疑問符が付くこと請け合いである。
こと程作用に、人は狭い了見の中で物事を判断しがちであるが、社会全体、宇宙全体を俯瞰する能力が人類には与えられている。
仏教では、輪廻転生を繰り返すとされる「魂」の存在を認めている。心ではその確証を掴むことができないけれども、心や意識よりもずっと深いレベルの存在が魂なのであろう。「神」の存在を信じるかどうかは別にして、宇宙の森羅万象を司る存在があることは否定できないのではないだろうか。
科学的に実証するという事は、ある事象が普遍的に再現されなければ、認められないという事になっている。しかし自然界は、再現が難しいことのほうが多い。宇宙の誕生や、生命の進化の歴史などその最たるものだろう。
特に変化することが基本の命の世界は、一層検証が困難にならざるを得ない。そこに真実と異なる理論が認められる素地が生まれる。それが物質を対象とした研究であれば、理論の間違いはすぐに検証され、修正が施されるであろう。
だが生命は、常に与えられた条件によって、変化していくもので、生理的状態を観察するのが非常に難しい。例えば顕微鏡で観察する為には強い光が当てられるし、時には薬剤の中につけたり染色したり様々に加工が加えられる。
このような全く生息環境とは違う、非生理的な姿を観察し、それを生理的な姿だとしたのが、病理学の基礎になっている事を見過ごしてはならない。
このように見誤った理論で構築された、現代の栄養学、生物学、生理学、病理学は間違った治療法や食生活を人々に求め、その結果病気の蔓延を引き起こし、精神の荒廃、社会不安を助長している。
これは単に、社会不安の蔓延に留まらず民族、人類の存亡に大きく関わる重大事である。
最近では核家族化によって家族制度の崩壊、地域社会の荒廃が進み、伝統的な子育ての知恵も伝承されず、教育力を失ってしまった親や社会の今後が心配である。
解決策を見出すとすれば、命の本質を見極め、何が真実かを追求する学問が当然のように普及し、既得権益に群がる学者、官僚、政治家を排除する社会の声を大きくする事であろう。
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