人間の「食性」に適った食行動によって得られる、健康効果を解説。この「食性」から逸脱した食習慣は生活習慣病の温床であり、QOLの悪化を招くことを身体で理解する事が重要である。

「命」の輝きを忘れない!「健康」は宝です!! 「病」を癒し、病院と縁を切る為のガイドブック

慢性病予備軍(アレルギー)

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フードアレルギーの本当の原因と症状とは?

 フードアレルギーは、主に食品を摂取した時に起こるアレルギー反応のことをいう。アレルギーは、身体にとって危険なものが外から入って来た時に、その物質を排除する為の身体の免疫反応のひとつである。例えばカビアレルギーの人はカビに対して、花粉症の人は花粉に対して身体が反応し、くしゃみや鼻水、皮膚のかゆみなどの症状として、体外へ排泄する正常な生理機能なのだが、本来の健康体であればアレルギー症状としての病的な反応など、起こさないような花粉や食べ物などで反応を起こすという事は、身体が慢性炎症を起こしている状態なのだ。

 つまり、炎症を起こした組織細胞は、異物を正常な反応で処理する事が出来ずに、炎症を起こした粘膜から、微細な遺物が血中に侵入する事で、免疫の暴走などと、免疫系の異常という事で処理されてしまうが、実際は慢性の炎症体質が直接の原因であり、それは間違った食生活を正し炎症体質を解消しない限り、一生続く悲惨な闘病生活が待ち受けることを覚悟せねばならないだろう。

フードアレルギーは「即時型」と「遅延型」がある

即時型【IgE抗体】

 一般的にフードアレルギーというと卵、大豆、牛乳、蕎麦、海老、カニなどを食べた時に出る蕁麻疹、かゆみ、呼吸困難などの症状が出ることを言うことが多い。すぐに症状の出るアレルギーは、即時型アレルギー(1型)と言われ、IgE抗体という免疫反応が関係している。原因となる食物を摂取してから発症までが短く、原因がわかりやすいアレルギーである。

遅延型【IgG抗体】

 また摂取後、数時間から数週間後に反応して、症状が出てくる食物アレルギーがあり、頭痛、眩暈、鬱、と言った精神神経症状。また、肩こり、痺れ、慢性疲労など、関係なさそうな多様な症状が特徴である。これは遅延型アレルギー(3型)と呼び、IgG抗体という免疫反応が関係していると考えられている。症状出現までに時間がかかり、その症状も多様であることから、原因の特定が極めて難しく、長期的な不調に悩まされることも多い。

遅延型アレルギーで起こる可能性のある症状

  • 症状各種
    • 慢性疲労症候群
    • 起立性調節障害
    • 肌荒れや湿疹
    • アトピー性皮膚炎
    • 腹痛や消化不良
    • 過敏性 腸症候群
    • イライラや集中力低下、メンタルの不調
    • 不妊
    • むくみ
    • 体重増加
    • 冷え性
    • 肩こり
    • めまい、しびれが重い
    • 頭痛、頭が重い
    • 不眠
    • 筋肉、関節の痛み、痙攣
    • 喘息

遅延型アレルギー症状のチェックリスト

  • 3項目以上で「遅延型アレルギー」の可能性
    • 食事をした後に眠たくなる
    • パンなど特定の食品摂取後、腹の調子や気分が悪くなる
    • 便秘、排便時間が長い
    • 下痢をする
    • 残便感がある
    • 皮膚が荒れる、乾燥肌、吹き出物、アトピー性皮膚炎
    • アレルギー体質(花粉症、鼻炎、喘息など)
    • 目覚めが悪い、疲労感
    • 集中力が無い、頭がすっきりしない
    • 気が滅入る
    • 苛立ち、焦燥感
    • 肩こり、腰痛、頭痛
    • 生理不順、生理痛
    • 微熱
    • 関節痛、筋肉痛が続く
    • 倦怠感
    • 不眠、熟睡出来ない
    • 空腹時ふらつく、めまい
    • 高血糖、高血圧、脂質異常症がある
    • 癌、心臓病などの慢性病がある
  • 遅延型フードアレルギー検査(IgG抗体)
     病院ではフードアレルギーが疑われる場合は、即時型のIgE抗体の検査が実施されるが、その検査ではこの遅発型フードアレルギーを診断する事は出来ない。上記の様な症状によって、遅延型フードアレルギーが疑われる場合は、IgG抗体検査を行う必要がある。IgE抗体検査と違い、保険適用対象外なので高額となる。(3万から4万円)

原因追求と対策の心得

 これらの症状は、即時型であるとか、遅延型であるとかの分類を現代医学はするのだが、そこも大切ではあろうが、むしろ細かく分類して原因を探る事よりも必要な事は、生命全体を俯瞰して大局を見る感性を養わねば、対処療法に終始する現代医学の愚を見抜けず、自分や大切な家族の治療法を誤ることがあっては、末代まで悔いを残す事に成りは しないか。

 何故ならば、現代医学の常識とは裏腹に、何千年もの昔から語り継がれる、真の医療という本物の治療法が存在しているからである。現代の最先端の科学技術の発展によって、そのことがようやく証明されるようになってきている事は喜ばしいが、最先端の研究が一般まで降りてきて、社会の常識足るにはまだまだ時間を要する事は否めない。

 そして昨今、科学の発展が齎した弊害に、エビデンス信仰がある様に感じる。科学的な証拠の提示ができなければ、無いものとして切り捨てようとする態度は、逆に非科学的であろう。

 何万年もの知恵の蓄積は、意味がなく、無に帰すべきものなのであろうか。永きにわたる人類の歴史の中で、淘汰され生き残ってきた人々の叡智は普遍性を持ち、それこそ科学と呼べるものであって、決して蔑ろにされるべきものであってはならない。

 あやふやな情報が氾濫する、混沌とした現代ではあるが、本物の情報を求める意欲さえあれば、玉石混交の情報の中から、きらりと光り輝く本物に出合えるはずである。それには、それを見抜く感性も無くてはならないが、インターネットが高度に発達する現代社会ならば、本物の情報にアクセスする事はさほど難しくは無い。只、情報は無料であるという認識では、そこに辿り着く事は出来ないかもしれない。

 とある、世界的著名人の昼食会に出席するのに、数憶の大金が必要という話も漏れ聞こえてくる様に、自分を高める為には、セミナーや勉強会、或いは書籍などの情報源にアクセスしなければ、有益な情報を得る事は出来ない。

フードアレルギーはどのようにして起こるのか

原因と対策【リーキーガット症候群】

 近年、様々な健康被害の原因に、遅延型フードアレルギーが疑われる様になってきたのであるが、即時型と同様に慢性炎症による、腸壁の絨毛細胞のゆるみが原因で、未消化の蛋白や小麦ペプチドの異物が血液中に侵入する事で引き起こされている。

 また、健康に良いと思って摂取している食物が、不調の原因食物であったりすることも珍しくは無い。そして、好物で頻繁に摂取している食品がアレルゲンであったりする。これらの日々取り入れられている食品は、果たして、健康を維持するために必要な栄養素を、十分に備えているのであろうか。

 人類は食物の栄養素を消化吸収することでしか、命を保つことができない。言い換えれば、人は植物に蓄えられた生命力を戴くバンパイアなのだ。バンパイアと言えば、おぞましく聞こえるだろうけれど、植物は他の動物に、生命力を授ける役目を担って、この世に存在している。それが自然の道理なのである。

動物性食品を常食してはならない

 人類は、狩猟採取する生活を何百万年と続けてきたので、肉食が正しい食の在り方であるとする意見があり、なるほどと納得したくなるが、やはりこの食行動は間違っていると言わざるを得ない。それは顎の構造からも明らかで、奥歯と前歯は植物と穀物用の歯の構成であり、肉食用の犬歯は退化が進み、糸切り歯と云われるように肉食用とは考えにくい。

 肉食は、植物が不足する寒冷期の非常食であり、緊急避難的に命を繋ぐための食料なのだ。獣を食料にする場合、部分食にならざるを得ない。部分食では、生命力を戴く事とは 程遠く、腐敗しか生みださない。肉食による影響で、腸内細菌が腐敗菌優勢となり、悪玉菌が生産する毒素によって、腸内環境が悪化し慢性炎症体質となり、健康を保つことが難しくなる。ハム、ソウセージなどの動物性加工食品もまた然りである。

白物食品を過食してはならない

 植物性食品であっても、白物食品と呼ばれる、白砂糖、食卓塩、白米(小麦粉)はその昔、三白の害と言って、健康被害を齎す代表格であったが、その表現は最近、ついぞ聞かなくなってしまった。しかし、それによる健康被害は、近年ますますと拍車がかかり、生活習慣病の温床となっており、社会問題化が深刻な状況であるが、有効な手立ては打たれていないのが現状である。

 白パン、白ご飯、白砂糖、食塩(高純度の塩化ナトリウム)は栄養不足を来す代表格であり、ビタミン、ミネラル、酵素、食物繊維、抗酸化物質などの各種栄養素が、極端に取り除かれている欠陥食品である。その栄養不足の薄っぺらな味をごまかすためと、流通に乗せるための、化学物質が大量に添加されて、工業製品と化した食品が店頭に並んでいる。工場で創られるものに、生命力は宿らない。

炎症とは肉体の腐敗である

 炎症体質とは、食物の質の悪化により、血液の活性が失われて起こる、臓器の弱体化である。各臓器だけに止まらず、皮膚、血管、血液、神経、脳にまで及ぶ全身疾患であることは優に及ばない。僅かな擦り傷などが、化膿して回復に時間を要する。また、湿疹などの皮膚疾患が増え、頻繁に風邪をひき、感染症に罹り易くなる。そして、頭痛、不眠、疲労、倦怠感など様々な不調が現れ、慢性病へと移行し、これらは食の間違いによって、肉体が悲鳴をあげて、あなたに助けを求めていると云う事実に、一刻も早く気付くべきである。

生命力を戴くことの意味

 海に発生した生命は、植物性と動物性に分かれて、ともに進化の過程を共有して生きてきたと言っていいだろう。動物に先んじて、海から地上に上陸したのは植物であった。植物が地上に繁茂するのを待って、追いかけるように動物が上陸して、地上は動植物の生命が行きかう、進化の舞台となったのである。

 そして、進化の最後に登場してきたのが人類であり、植物ではイネ科の穀物なのである。人類は言うまでもないが、イネ科の穀物は、あらゆる面で最も優れた植物で、人類の救世主ともいえる性質を兼ね備えている。次世代の生命を育む為の優れた栄養価を備えており、しかも収量が多く、安価であり、貯蔵力に優れ、味が蛋白で、他の食材との相性も良く、主食にするには絶好の食材である。まさに自然が人類に与えてくれた、最高の贈り物と云わざるを得ない。

 中でも玄米は栄養バランスに優れ、神の乳と呼ばれるほどの優れた食品である事を心に銘じて欲しい。しかし、それは白米にしてしまうと様相ががらりと違ってくる。胚芽や糠層を取り払ってしまう事で、生命力が失われて、それを食すると自身の生命力を奪い取られる、悪魔の食品に姿を変えてしまうのである。

 現代ほど食事情が多様ではなかった、江戸の元禄期に白米が普及し始めた折に、江戸詰めの武家や庶民の間に、江戸患いと云われる「脚気」が大流行した事が記録に残っている。また、日清日露戦争の折は、ドイツ医学を学び陸軍の軍医であった森鴎外は、白米によるビタミンB1不足が原因の脚気を、細菌が原因であると主張したため、三万人ほどの脚気による死者を出してしまっている。

 海軍はイギリス医学を学んだ軍医の高木兼寛により、脚気は食事が原因であるとの考えから、麦を白米に混ぜてビタミン不足を補い、海軍カレーなどの工夫で脚気の被害を防いでいる。脚気による海軍の死者は、日清日露戦争で僅か数名しか出ていない。

 このように食事の間違いによって、炎症が引き起こされて、腸壁の絨毛細胞が緩み異物が体内に侵入する事を、腸漏れ(リーキーガット症候群)と云う。

 その原因は、本来人間が食すべき「食性」を逸脱する事で、炎症体質を生み、その間違った食生活の継続が最大の原因であることを理解し、食の改善を行うことで、いとも簡単に健康を回復する事が出来るのであるが、難しいのは意識改革で、これまでの習慣や間違った常識を破壊せねばならない事は本当に骨が折れる作業である。

遅延型アレルギー検査の真実

  • 遅延型アレルギー検査には意味がないという見解。
     一般的な病院で受ける「即時型アレルギー検査」では、IgEを測定し、アレルゲンを調べるのだが、「遅延型アレルギー検査」ではIgGを測定する。
  • IgG抗体は、アレルギーのない健康な人にも存在する。
     故に遅延型アレルギーの検査結果は摂取量に比例しており、値を基に食事制限を行う事で、健康被害を引き起こすこともあり得るとの見解を示している。日本小児アレルギー学会では「遅延型アレルギー検査は食物アレルギーを判定する上では意味がない」と正式見解を出している。
  • しかし、即時型アレルギー検査でアレルギーが無いとの診断であっても、遅延型アレルギー検査でIgG抗体のアレルゲンを特定することも可能であり、遅延型アレルギーが起こっている事実を知る必要も大切になる。

不調や病の原因(アレルギー症状)の根本を見極める

 即時 型であれ遅延型であれ、アレルギーがある事実を把握する事が最も重要であり、その異物を見極めることは、それほど大切なのではない。その異物を通過させてしまう、腸漏れの解消こそが喫緊の課題なのである。そこを疎かにしているから、根本治療ができないでいることを理解する必要がある。

 腸絨毛の炎症を抑えて、血中に異物が侵入する事を防ぐ 手立てを、一刻も早く取るためには、食の間違いが原因であることの理解が欠かせないが、何十年も慣れ親しんでいる習慣を変えることの難しさは理解できても、それを放置すれば生命の危機に瀕するにも関わらず、その習慣を変えようとしないのは、無知のそしりを受けても仕方がない。

 おそらくは、病気による苦しみが、どれ程の苦痛を伴うものなのかが理解できないのか、そんな事よりも、今の快楽を優先し、先のことは考えたくないのか、その想像力の乏しさを、理解する事は出来ない。日本人がそれ程までに、劣化してしまったのかと思いたくはないが、本当に虚しい現実が日々繰り返されていることに憤る今日この頃である。

意識改革が健康への架け橋

 病苦で苦しんでいる、多くの人々は医療に頼り切り、その患者からの信頼感を逆手に取り、患者の利益などお構いなしの商業主義に走った治療が行われて、最後はベットの上で塗炭の苦しみを味わいながら、無残にもご臨終の息を引き取る事になる。

 為すべき事が他にあるにも関わらず、患者側も医療側も不勉強ゆえに、あだや尊い命の無駄遣いを、日々反省する事も無く繰り返している事をどう感じているのであろうか。齢老いて亡くなるならば、寿命と諦めもつこうが、幼子や前途ある若者が食の間違いによって、救えるであろう「尊い命」を無残に絶たれることは、親御さんにとっては、生涯悔やみ続けねばならないであろう日々を思うと、あまりにも忍びない。

 遺伝子に刻み込まれた、命の本質を理解して貰うだけの行為が、果てしなく広い海の中に落とした一粒のダイヤモンドを探すにも等しい、難解さを以って迫りくる、虚しさにはもう慣れてしまったが、それでも飽きることなく、真実を伝えていかねばという想いは尽きることが無い。

 そして健康のその先にあるものは、自己実現であり、承認欲求の探求なのだと思う。真の健康体を身につければ、何歳であってもその様な欲求は誰しもが持つものであろう。だとすれば遺伝子の望む、人間本来のあるべき生き方を全うして、大往生を遂げたいものである。


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